薬剤科
薬剤科の概要
当院薬剤科は、医薬品の有効性と安全性を保障する薬剤業務に取り組み、患者さんの薬物療法に寄与しています。薬のスペシャリストとして医療チームの一員となり、薬学的視点から医薬品の有効性・安全性の確保を実践するよう日々業務を行っております。
また、地域薬剤師会等との連携も推進し、お薬の専門職として、地域の方々の健康な生活を支えたいと思っております。
薬剤科の組織紹介
スタッフ |
薬剤師4名、薬剤助手1名 |
部 門 |
調剤室 薬品管理室 注射調製・製剤室 DI室(薬品情報室) 病棟(薬剤管理)業務 |
<調剤室部門>
調剤室では入院や外来の患者さんのお薬(内服薬・外用薬)の調剤を行っています。
処方せんを受け取ってからお薬をお渡しするまでに、処方せんの記載どおりにお薬をそろえるだけでなく、以下のようなことに気をつけています。
- 処方箋にあいまいなところはないか。
- 使い方や量に問題はないか。
- 適切な方法でお薬が処方されているか。
- お薬の飲み合わせは大丈夫か。
処方箋に疑問が生じた場合には、処方医に直接確認した後に、調剤します。お薬についての不安や疑問にお答えします。何かご相談がございましたら、薬剤科窓口にて気軽に声をおかけ下さい。
<院外処方せん>
当院では外来の患者さんの処方は原則院外処方としております。
より良い医薬分業を目指し地域の薬局と連携しながら薬剤業務を行っています。
※ 院外処方せんの有効期限は4日間になっています。ご注意下さい。
◎かかりつけ薬局とは?
かかりつけのお医者さんと同じように「かかりつけ薬局」を持つことでお薬同士の飲みあわせをチェックしてもらえたり、一緒に摂取してはいけない食品などについて説明してもらえます。
◎お薬手帳とは?
お薬手帳は、処方されたお薬の名前や飲む量、回数などの記録(薬歴)を残すための手帳です。この記録を確認することで、医師・歯科医師や薬剤師が、患者さんがどのようなお薬をどのくらいの期間使っているのかが判断出来ます。また、他の病院や医院などでお薬をもらうときにも、お薬手帳をみせることで、同じお薬が重なっていないか、また飲み合わせなどについての確認も行えます。
◎ジェネリック医薬品とは?
新しいお薬(先発品)は、発売されてから一定の期間(特許・審査)が切れるまでその開発メーカーでしか作ることができません。その期間が過ぎると別のメーカーが主成分の同じお薬を作れるようになります(後発品・ジェネリック医薬品)。開発費がかからないので、その分値段が安くなります。 平成20年(2008年)4月から院外処方せんで処方されたお薬を、ジェネリック医薬品に変えることが原則として可能になりました。ただし、お薬によってはジェネリック医薬品に変えることができない場合もありますので、受診時によく医師にご相談してください。ご不明な点がございましたらお気軽に薬剤師にご相談ください。
<薬品管理>
◎薬品購入管理、在庫管理、品質管理
院内で使用される薬(内服薬・注射薬・外用薬など)を購入し、在庫を管理して必要な薬品を各部門へ払い出す業務や薬品管理を行っています。私たち薬剤師は経済的なことも考慮し、適正在庫に努力していますが、使用頻度が低 い薬でも代わりになる薬がなければ常に在庫を確保し緊急な対応ができるように準備をしています。薬品の在庫管理にはコンピュータを利用していつどんな薬が処方されても対応できるように努めております。また、医薬品の品質管理も重要な仕事になります。薬品の使用期限、品質に影響を及ぼす温度や湿度、光などに注意し患者さんに安全に使用できるよう管理しています。
◎入院注射薬調剤
注射指示箋処方せんによる入院注射処方調剤(取り揃え)を実施しています。入院患者さんに使用される注射薬は、内服薬と同様に薬剤師が処方内容(用法、用量、配合変化など)を確認し、患者さん1人分ずつ1施用毎に個別セットして病棟に供給しています。病棟では看護師による最終チェックを受けてから患者さんに使用されます。
<製剤部門>
☆院内製剤、特殊製剤の調製
患者さんに合致した薬品が市販されてなく治療上必要な時など、医師の依頼に基づいて、病院独自の薬を院内で調製しています。有効性や安定性、安全性を調査検討した後に調製しています。
☆高カロリー輸液の無菌調製
疾患によっては、経口摂取できない患者さんもいます。そういった場合には、全ての必要な栄養素(アミノ酸、ビタミン、糖質、ミネラルなど)を含有した高カロリー輸液を静脈に投与する完全静脈栄養療法(TPN:total parenteralnutrition)が実施されます。無菌的に作業を行なわなければならないためクリーンベンチの中で調製を行なっています。
☆抗がん剤の無菌調製
外来・入院問わず、抗がん剤の無菌調製を行っております。抗がん剤は作用が強力である為、使い方を誤ると命に関わる重大な医療事故を起す場合があります。投与量、投与方法、投与間隔等の確認を行い、適正な抗がん剤の治療ができるように安全面にも十分に注意しています。抗がん剤の調製は安全キャビネットを用いて行います。
<医薬品情報部門>
医薬品情報管理業務は、通称"DI業務"といわれています。DIとは、「Drug Information」の略で、その名の通り、薬に関する様々な情報を集めて医師、看護師、他の医療スタッフや患者さんにわかりやすく情報提供したり、質問に応じたりしている部門です。情報の時代といわれる昨今、薬に限らずあらゆる情報が行き交う中で、いかに正確に情報を取り入れ必要な時にしっかり活用出来るかはとても重要です。薬が安全に正しく使われるよう、そして有効な薬物治療が行われるよう努めております。これからも常に的確でわかりやすい情報提供を心掛けていきたいと思います。また、患者さん向けに『くすりの話』を発行しております。こちらは、薬剤科員が持ち回りでテーマを決めて、患者さんに少しでも薬について理解を深めていただけるよう親しみやすく図解入りで紹介しています。ぜひご覧になってください。
<病棟業務(薬剤管理指導業務)>
【薬剤管理指導(服薬指導)】 薬剤師が医師の依頼のもとに入院中の患者さんのベッドサイドに伺いお話させていただくことがあります。
◎患者さんのもとへ直接伺います。
患者様やご家族が安心して薬物治療が受けられるように、入院時に持参される薬品や入院時に使用中のお薬を確認し、薬の服用方法、薬効、服薬の必要性、注意事項などご説明し安全な薬物療法を支援します。退院後のご自宅でのお薬管理についてご説明します。
◎患者さんのお薬の記録をとります(薬歴といいます)
他院・他科のお薬も含みます。重複・飲み合わせについてチェックします。また、市販のお薬や健康食品について、注意点をお伝えします。
◎医師や看護師に情報提供します
薬剤師の視点で気がついた薬の効果や副作用の情報、また患者さんの相談事項などについて、医師や看護師と連携をとっています。病棟での薬の使用や保管に対し情報提供します。
<医療チームの一員としての活動>
患者さんの治療にあたっては、医師・看護師・その他の医療スタッフがチーム一体となって取り組んでいます。薬剤師も、患者さんに最も適した安全で効果的な薬物療法を行うために、委員会やチームの活動を通し医療チームスタッフと綿密な連携をとっています。チーム医療の担い手として薬剤が活躍しております。
※薬剤師が参加している主な委員会・チーム活動をご紹介します。
- 医療安全管理委員会
- セーフティマネージャー会議
- 院内感染防止対策委員会・ICT(感染対策チーム)
- 薬事委員会
- 救急医療整備対策委員会
- 褥瘡対策委員会
- NST(栄養サポートチーム)委員会
- 血液製剤適正使用検討委員会
- クリニカルパス委員会
- 化学療法運営委員会(抗がん剤治療)
- 地域医療福祉連携室会議